【脳科学で解説】男はなぜ浮気するのか? 幸せホルモンとの深い関係
脳科学者・中野信子さんの言葉「男は浮気をするもの」は、進化心理学や脳の働きに基づいた科学的視点に立った見解です。本記事では、この言葉を出発点に、男女の恋愛脳の違いや、浮気の心理的背景、そして幸福感に関わる3つのホルモン(セロトニン・ドーパミン・オキシトシン)について詳しく解説します。
男性の浮気は本能?中野信子さんが語る2つの男のタイプ
中野信子さんは、男性の浮気傾向について次の2タイプに分類できると述べています。
1. 遺伝子を拡散したいタイプ(ドーパミン優位)
- 多くの女性と関係を持ち、自らの遺伝子を広く残したいという本能的な欲求。
- 快楽や刺激を強く求め、恋愛初期の高揚感や性衝動に敏感。
- 脳内ではドーパミンが強く働き、刺激を追い求める傾向がある。
2. 育てることに価値を置くタイプ(オキシトシン優位)
- 自分の子でなくても育てることに意味を見出すタイプ。
- 信頼関係や愛情を重視し、長期的な関係を築こうとする。
- オキシトシンが豊富に分泌されやすい性質。
女性の浮気の本当の理由:進化心理学から見る2つの戦略
女性にも浮気に走る心理的背景がありますが、男性とは異なり、より戦略的・合理的であることが多いとされています。
1. より良い遺伝子を求める浮気
- パートナーとは生活の安定を維持しつつ、外部から優れた遺伝子を得ようとする本能。
- これは「デュアル・マティング戦略(二重交配戦略)」と呼ばれています。
2. より良い生活環境を得るための浮気
- 現在のパートナーに不安を感じた場合、より安定した将来を提供してくれそうな男性を探す行動。
- 「乗り換え準備型浮気」として知られます。
【比較表】男女の恋愛脳の違いを徹底解説
項目 | 男性脳 | 女性脳 |
---|---|---|
恋愛の始まり | 見た目や刺激で一瞬にして恋に落ちる | 信頼や会話を通じて徐々に惹かれる |
脳の働き | ドーパミン優位(快楽・達成感) | オキシトシン優位(愛情・共感) |
恋愛の動機 | 性的衝動・快楽 | 安心感・つながり |
セックスの意味 | 快楽や征服感の確認 | 愛情や関係の証明 |
幸福ホルモン3兄弟とは?それぞれの働きと効果
ドーパミン:快楽とやる気を引き出すホルモン
- 成功・報酬・恋愛初期の高揚感で分泌。
- やる気や快感の源であるが、依存性があるため注意。
- また一部の研究では、可処分所得が800万円を超えるとドーパミンの過剰な刺激によって満足感がそれ以上伸びず、3500万円を超えると逆に幸福度が下がる傾向があるともいわれています。つまり、経済的成功がさらなる報酬を求める“ドーパミン過多”を引き起こし、結果として「もっと欲しい」と感じやすくなるのです。買い物依存症等
セロトニン:心のバランスを整える安定ホルモン
- 日光を浴びる、運動、腸内環境の改善で増える。
- 不安やイライラの軽減、うつの予防に効果的。
- 健康であることの幸福感
オキシトシン:愛情と信頼を育む絆ホルモン
- スキンシップ、会話、共感によって分泌される。
- 家族や恋人との関係性を深め、ストレス軽減にも効果あり。
- 人とのつながりによる幸福感
【実践編】幸せホルモンを活かしたライフスタイル
時間帯 | ホルモン | 活性化する行動例 |
朝 | セロトニン | 日光を浴びて軽い運動(散歩・ラジオ体操) |
昼 | ドーパミン | 目標達成・作業集中・好きなことで達成感を得る |
夜 | オキシトシン | 家族との会話・ハグ・温かい言葉を交わす |
このように、三大幸せホルモンを日常生活にうまく取り入れることで、恋愛だけでなく人生全体の幸福度も大きく向上します。
結論:浮気も恋愛も脳の仕組み。理解すればすれ違わない
男女の恋愛行動や浮気傾向は、脳内ホルモンの働きによって大きく左右されています。これらを正しく理解することで、無用なすれ違いや誤解を避け、より良いパートナーシップを築くヒントになります。
幸せホルモンを味方につけ、心・体・人間関係のすべてを豊かに保ちましょう。
参考文献・出典
- 中野信子『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書, 2012)
- 橘玲『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書, 2016)
- 竹内久美子『そんなバカな! 遺伝子と神について』(文春文庫, 1998)
- Daniel Kahneman, “Thinking, Fast and Slow” (Farrar, Straus and Giroux, 2011)
- Angus Deaton and Daniel Kahneman, “High income improves evaluation of life but not emotional well-being”, PNAS, 2010
- Harvard Health Publishing, “Serotonin: What You Need to Know”, Harvard Medical School
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